みなさんは、東大生にどんなイメージを持っていますか? クイズ番組などで人気者が爆誕している一方で、超変人? ダサい? コミュ障? など、マイナスなイメージが広がっているかも……。現役東大生の永井志帆が“マイナスなイメージを持たれがちな東大生”像にリベンジを果たすべく、気になる学生を紹介していくこの連載! 今回は、最近TVや雑誌でも引っ張りだこの『東大謎解き制作集団AnotherVision』の代表・清水木楠(しみずこなん)さんに話を聞いてきました。東大生は頭が固そう〜なイメージがあるかもしれないけど、読み終わる頃にはオリジナルの謎解きとともにそのイメージもスッキリすること間違いなし!
まずは実際に謎解きをしてみよう!
今回、ViViのために特別に謎解きを二問作っていただきました。謎解きが得意なあなたも、そうでない人もぜひやってみてください。
Q1. 下の「?」に入る言葉はなんでしょう?

――上はなんとなくわかったんですが、下がわからないです……。ヒントをください!
ヒントは 形が対称になっていることに注目してみることです。あとは、見る角度を変えてみるとわかってくるかもしれません。いかがですか?
――あ!!! ViViですね!?

正解です! アルファベットが組み合わさったイラストになっていたんです。解けると納得できますよね。今解いていただいたような、特別な前提知識が要らない、ひらめきだけで解ける問題が「謎解き」です! それではもう一問! 実はAnotherVisionの名刺にそれぞれ謎解きをつけているので、ぜひ解いてみてください。さっきよりちょっと難しいですよ!!
下のイラストを見て①〜④に当てはまるひらがなを考える問題です!
Page 2
Q2. 下の①~④に当てはまるひらがなを考えて「?」に入る言葉を導きだしてください。
――最初から全然わからない……。こちらもヒントをお願いします!
まずは左のひらがなを漢字にしてみてください。そうすれば何か見えてきませんか?
――あ! 部首ですね!? 種が「の」ぎへんで、宝が「う」かんむり……。ということは ①道(しんにょう)②枕(きへん) ③泡(さんずい)④緑(いとへん)の頭文字だから『しきさい』! 難しいけど面白いです! なんとなく謎解きがどんなものかわかった気がします。清水さんはいつ頃からこのような謎を作り始めたんですか?
高校生の頃です。SCRAPという会社の作った『リアル脱出ゲーム』にハマってしまって、何人かで作り始めたのがきっかけです。
――謎はどうやって作っているんですか?
そもそも謎には、先程のような一枚で完結する謎と何題かが繋がっていて最後にすべてを使いながら解く問題の二種類があります。どちらも最後から逆算して作っていて、そこに持っていくために何をすれば不自然じゃないかを考えるんです。
例えばさっきの一問目は答えを「ViVi」にしたかったんです。そこから「V」と「I」が左右対称な形だってことに気がついて、あの形に隠すアイデアになったんですよ。
――その発想はどこから得るんですか?
普段からよく謎解きに行くのでそこから思いつくものもあります。他にも日常で気がついたことはすぐにメモをしています!
――よく謎解きに行く、ということですがオススメはありますか? 最近は謎解きができる施設も増えていますが、初心者にはチャレンジしづらくて……。
初心者向けだと、個人的にオススメしたいのは新宿にあるTOKYO MYSTERY CIRCUSのプロジェクションマッピング公演のシリーズや、SCRAPさんの『下北沢謎解き街歩き』です。謎解きそのものに不慣れでも、演出や街歩きを楽しみながら謎解きができるので挑戦しやすいですよ。同じような理由でAnotherVision の文化祭公演も挑戦しやすくてオススメです。
上級者向けのオススメは、AnotherVisionUnlimited というAnotherVisionが作る難しい公演シリーズのものです! 腕によりをかけて作っています。SCRAPさんの『ある牢獄からの脱出』も難しくて好きでした。

Page 3
――街とコラボしたものもあるんですね! こういう問題が苦手な私がすぐにできる謎解きのコツはありますか?
定石は形式を変えることですよね。カタカナ、ひらがな、漢字、英語など問題の部分を他の形式に直してみると見えてくるパターンも多いです。でも一番大事なのは、一度考えたことに執着しないこと。無理! と思ったらどんどん新しい視点からアプローチするのが解くコツです。
――早速そのコツを試しに行ってみたくなりました。清水さんが東大に入って「嬉しい」と感じたこともやはり謎解き関連ですか?
全然謎解きに関係なくて……。3歳くらいからずっと憧れだった『SASUKE』に出れたことなんです! 毎年申し込んではいたのですが、東大に入って初めて選考に呼んでもらえたのでやっぱり“東大”は良い意味でも悪い意味でも引きが強い肩書きなんだと思います。
あとはぶっ飛んだ天才に会えること。センター試験の化学を7分で解いて満点を取る人など、すごすぎる人を見ると自分を見失いそうになりますが、同時に刺激ももらえますよね。
――引きの強さは今までにインタビューした方々からも出ましたね。炎上しやすい一方、注目もされる感覚があります。センター試験の話が少し出ましたが、東大に入るにはどんなことが必要だと思いますか?
東大生は細かいことまで暗記している堅物なイメージがあるかもしれませんが、実際のところ東大の入学試験問題は思考を問う問題が多いです。教科書レベルの知識をどう使うかが問われている、まさに謎解きのような感じです(笑)。想像力すべてかというとそうでもなくて、似たような問題を何度も解いていくと見えてくる定石のパターンがあるので、それを見つけることが必要かなと思います。
――勉強で定石をつかむためにオススメの勉強法はありますか?
オススメできるかどうかわかりませんが……、国語や英語はあえて単語帳をやらない。覚える前に問題集を解く。というのを僕はやっていました。もちろん間違いは多くなるのですが、間違えた問題の答えを見たり、調べたりしながら覚えていくんです。手間がかかる分、同じ問題を2回以上間違えると自分にイライラしちゃうので一回で覚えるようになっていくんですよね(笑)。
――勉強と謎解きには共通点があるんですね! どちらも知識をたくさん暗記しなきゃいけないイメージがありましたが、得た知識をどう覚え、どう使うのかが重要なんですね。ありがとうございます。

清水木楠
東大謎解き制作集団『AnotherVision』の代表。ボルダリングとSASUKEが趣味。
AnotherVisionの公式Twitter(@Another_Vision_)では公演情報を随時配信中です。謎解きがお好きな方は是非フォローしてね!
撮影/村田克己 取材・文/永井志帆(ViVi Creator)