「自分らしく生きる」ということは、かんたんなようで難しい。フリーアナウンサーとなり、次のステップへと歩みはじめた宇垣美里から見えている世界は、もしかしたら私たちとは少しだけ違うのかも。8月のテーマは「香り」について。先週に引き続き、香りから広がっていく世界や思い出、ライフスタイルなどを綴ります。宇垣美里のエッセイ【私から見えている景色】

第二章 『香りから蘇るもの』
(二)
香水マニアな私。気づけば棚は多種多様な香水で溢れかえって店でも開けそうなくらいだ。
例えば旅先。
その土地にしかない、特別な歴史を持った店を見つけてしまったら買わずにはいられない。
百貨店でだって、目に飛び込んできた宝石みたいな香水瓶にあっという間に心を掴まれて、香りを確かめる前に脊髄反射で家に持って帰ると決心してる時だってある。いわゆる、パケ買いだ。
匂いそのもの、というよりはその名前やパッケージ、パフューマーが思い描いた景色といった世界観ごと手に入れているのかもしれない。

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ローズやベリー系、バニラにシトラス、花畑の真ん中にいるような気持ちになるものや、大人っぽいウッディーな香り、少し危なくてセクシーなムスク系と幅広く持ち合わせているけれど、結局普段使いしているのはいつも同じもの、だったりする。
フランスの老舗ブランドの、もう廃番になってしまったその香りは、品があって華やかだけど官能的で。
ずっとつけているから、もはや自分の一部になってしまったみたいですぐに馴染んでしまう。
先日友人に本を貸したら、返却時、感想と共に“この本、宇垣の匂いがしたわあ“というメッセージが添えられていた。
ふふふ、計画通り。大好きなあなたにとっておきの魔法。
たとえ遠く離れても同じ匂いをかげば、きっと私のことを思い出してくれるはず。

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宇垣美里にQ&A

Q. 宇垣さんのストレス発散方法が知りたいです!(22歳・
女性)
美味しいもの食べて、学生の頃からの気の置けない仲間たちとゲームしながらげらげら笑って過ごせば大抵のことはどうでもよくなってます。あとは長風呂でリフレッシュかな。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※衣装は全てスタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kota Shouji Styling:Mana Kogiso(io) Hair&Make-up:Sayoko Yoshizaki(io) Composition Mayuko Kobayashi