「自分らしく生きる」ということは、かんたんなようで難しい。フリーアナウンサーとなり、次のステップへと歩みはじめた宇垣美里から見えている世界は、もしかしたら私たちとは少しだけ違うのかも。9月のテーマは「ルージュ」。先週に引き続き、コスメやメイクが大好きな宇垣さんがルージュに込める想いについて綴っていただきました。宇垣美里のエッセイ【私から見えている景色】

第三章 『ルージュは語る』
(三)
この秋冬愛用することが決定している口紅は、高校時代からの友人にプレゼントされたもの。
ブラウンのこっくりとした色みが可愛くて可愛くて……! するする塗れるし艶やかで、唇にのせるとぽやんと赤みが浮いてくるのがとっても色っぽく最高なのだ。
今までは赤みがないと顔色が悪くなりそうで不安だった。大人っぽくなりすぎるときつく見える気がして、ブラウンにはなかなか手が出せなかった。
でも、友達にきっと似合うと思うと渡されたその口紅をおそるおそる唇に引くと、鏡の中に新しい自分がいて。一度塗りだとぽってりしたどこにだって合うおしゃれな唇になれるし、何度も色を重ねて赤みを足していけばどんどん大人な口元にだって挑戦できる。
ああ、そう。この感覚を愛してるから私はメイクが大好きなの。

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パッと見、口紅とは思えないような芥子(からし)色の口紅にも挑戦してみたい。黒みが強いようなダークローズも気になる。
世の中にはまだ私の試したことのない可愛い色みがあふれているんだもの。その中に運命的に似合う一色があるかもしれない。
“ふつう”って何さ。“王道”って面白いの?
たまにとんでもない失敗もするかもしれないけど、まだ見ぬ自分を探して今日も私はコスメ売り場を放浪するのさ。

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宇垣美里にQ&A

Q. ずばり宇垣さんにとって読書の醍醐味とは?(19歳・
女性)
年齢も性別も世界も違う登場人物の気持ちを知ることができるところ。 そんな何もかもが違うはずの登場人物が自分と同じような悩みを抱 えていて、そんな気持ちを言語化してくれているところ。 生き抜くための言葉の全ては本から学びました。
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※衣装は全てスタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kota Shouji Styling:Mana Kogiso(io) Hair&Make-up:Sayoko Yoshizaki(io) Composition Mayuko Kobayashi