人には聞きづらい“女子の保健室的なお悩み”について、専門家にしっかり取材をして信頼できるアドバイスをもらおう! という企画「ViVi保健室」。今回は「アフターピル」について。妊娠しちゃったらどうしよう……という不安を抱えた時に、頼りたくなるのがアフターピル。でも、実際に使用した、という人はまだまだ少ないのでは? そこで、本当に効果があるのか、いつ飲めばいいのか、などをドクターに聞いてきました。
Q.気分が盛り上がっちゃって、つい避妊せずにエッチしちゃいました。妊娠の危険性大な事態に! 今は、まだ妊娠したくないんですが、アフターピルを飲めばどうにかなりますか?

https://www.aw-clinic.com/
A-1:アフターピルは、妊娠を回避するためのお薬です。
A-2:効くのは72時間以内。早ければ早いほど◎。
A-3:大きな副作用はほとんどありません!
A-4:性感染症は防げません!
A-1:アフターピルは、妊娠を回避するためのお薬です。
アフターピルとは、緊急避妊薬とも呼ばれ、ノルレボというものが今の主流です。
ノルレボとは妊娠を望まないのに、避妊せずにセックスをしてしまったあとに使うお薬で、医師の処方箋が必要。基本的には、レイプされたときや、つけていたコンドームが破れたなどの“事故”を想定していますが、相談のようなケースも対象となりますので、悩むくらいならクリニックへ。
自費になるため、お金はそれなりにかかります(アヴェニューウィメンズクリニックの場合は18500円 ※税抜)。
また、かなり高い確率で妊娠を防ぐことはできますが、100%ではありません。そのため、最初からアフターピルに頼って避妊しないというのはダメ。
望まない妊娠をしないように、コンドームを最初から装着してもらう、ピルを毎日飲んでおく、ミレーナなどの避妊具をあらかじめ装着しておくなどの予防策をとりましょう。
ちなみに、海外では街角の薬局で買えるケースも。日本はピル後進国であり、アフターピルについての情報周知も法整備も遅れています。現在、本当に困っている女性がもっと気軽に手に入れられるようにしようという動きが起こっていますが、まだ具体的には決まっていないのが実情です。
A-2:効くのは72時間以内。早ければ早いほど◎。
セックスによって精子と卵子がくっついてできた受精卵が、子宮の内膜に着床することで妊娠しますが、アフターピルは、この受精卵の着床を防いだり、排卵を遅らせることで妊娠を回避するもの。一度、着床して妊娠したものをなかったことにするような効果=飲むだけで中絶するような効果はありません。その点はきちんと認識しておくことが大切です。
また、上記のように着床前に飲むことが大事なため、早ければ早いほど、妊娠の回避率がアップ。セックスしてから24時間以内で90〜95%ですが、48時間経過すると85%に落ちて、そのあとは75%ぐらいになり、平均で80%程度。
もし不安に感じたら、「明日の会社帰りに」なんて考えずに、できるだけ早く受診するのが賢明です。
A-3:大きな副作用はほとんどありません!
私たちが処方しているアフターピルについては、大きな副作用の報告はありません。
ただ、服用後の月経のような出血があったり、頭痛や吐き気、倦怠感、眠気など月経時に起こるような症状が現れることがありますが、基本的には数日でおさまります。もし上記のような症状が続く場合には、ぜひ処方してもらった婦人科で相談を。
A-4:性感染症は防げません!
アフターピルは、あくまでも妊娠を回避する薬であって、性感染症は防げません。エイズやクラミジアといった病気を防ぐためにも、正しくコンドームをつけてもらいましょう。そして、望まない妊娠をして心身ともに傷つくのは、女性であるアナタ。そうならないように、彼ときちんと避妊について話してみることも大切です。
先生のアドバイス
望まない妊娠をしてしまったかもと不安になったなら、できればすぐ、遅くとも72時間以内に病院へ。そして、次からアフターピルに頼らなくていいように、きちんと彼と話し合ってみてくださいね。

時間と未来に要相談ネ!
illustration/Pantovisco