宇垣美里のエッセイ連載、11月のテーマは「メイクとの出会い」。コスメやメイクが大好きな宇垣さんの、きっかけや原点について綴っていただきました。Q&Aでは幼い頃からやっていたという、数々の習い事について。「自分らしく生きる」ということは、かんたんなようで難しい。フリーアナウンサーとなり、次のステップへと歩みはじめた宇垣美里から見えている世界は、もしかしたら私たちとは少しだけ違うのかも。宇垣美里の【私から見えている景色】

第五章 『メイクとの出会い』
(一)
初めて化粧をしたのは高校生のころだった。
校則が緩く特に禁止されていた訳でもなかったので、同級生の中にも化粧をしている子はたくさんいた。
だけど私は、とにかく朝はギリギリまで寝ていたかったし、読書や映画鑑賞など他にやりたいことが多すぎて、自分を装うということに一切興味が持てないでいた。
そんな私が化粧品に手を出したのは、多分ちょっとした反抗心がきっかけだったと思う。

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受験生だった私を置いて家族全員、岡山にある祖父母の家へと出かけていて、家には私ひとりきり。終わらない受験勉強に嫌気がさした私はふらふらと母の鏡台へと近づいていった。
キラキラときらめく宝石箱のような化粧品の数々。ああ、魔法の洞窟であんなにきつくアラジンに止められたのに、思わず宝石に手を触れてしまったアブーの気持ちが分かるというもの。中でも一番きれいに見えたブラウンのアイシャドウを手に取り、恐る恐る目蓋にのせた。
それだけで目蓋は深みを増しキラキラと輝いて、なんだかぐっと大人になれたような気がして、長い時間うっとりと鏡を眺めた。
あの時から、私はずっとコスメに恋してる。

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宇垣美里にQ&A

Q. 多才な宇垣さんに質問です。幼い頃、習い事はしていましたか? どんなことをしていたか知りたいです。(sin42歳 女性)
3歳から大学生になって神戸を離れるまで、ピアノをずっと習っていました。おかげで大抵の楽器の譜面は読めるし、聞けばだいたいコピーして弾くことができるし、なにより爆発しそうな感情を音に乗せて解放する手段を得ることができました。本当に習ってよかった。あとは習字、剣道、新体操、塾。どの習い事もすごく好きでした。
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兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。
宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg
※衣装は全てスタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kota Shouji Styling:Mana Kogiso(io) Hair&Make-up:Sayoko Yoshizaki(io) Composition Mayuko Kobayashi