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心がギリギリだったあの頃。“アナウンサーらしい”に苦しんだ宇垣美里が頑張れた理由

2019.11.28

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宇垣美里のエッセイ連載、11月のテーマは「メイクとの出会い」について。人気アナウンサーとして活躍する傍ら、“アナウンサーらしい”格好やメイクに悩んでいたという、ちょっとせつない胸の内を綴ります。Q&Aでは「甘える」と「頼る」の違いについて。宇垣さんの考え方に納得! 「自分らしく生きる」ということは、かんたんなようで難しい。フリーアナウンサーとなり、次のステップへと歩みはじめた宇垣美里から見えている世界は、もしかしたら私たちとは少しだけ違うのかも。宇垣美里の【私から見えている景色】

第五章 『メイクとの出会い』

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“アナウンサーらしい” 服装や言葉遣い、ふるまいに辟易するというか、自分自身との乖離に心が追い付かなくなってしまった頃に目覚めたのが、カラーメイク。

仕事のない休日はまつげをピンクやオレンジに塗って、南国の蝶のようなアイシャドウを塗れば、ようやく息ができるようになった。メイクに合わせてモードな服装や渋めな配色のコーデをし、かかと落とししたら痛そうな高いヒールのブーツを身に纏えば体が軽くなった。

本当に強い人ならメイクや恰好で縛られても自分らしくいられるのだろう。

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でも、そのころの私は“アナウンサーらしい”恰好に苦しんだ自分を解放するためには、“アナウンサーらしくない” メイクや服装で自分を解き放つ方法しか思い浮かばなかった。

あの日、仕事帰りにふと寄ったコスメフロアで見つけた真っピンクのマスカラ。輝いて見えた。こんなのつけてテレビに出たら、絶対怒られるだろうなあ。でもつけたいなあ。そう思った時にはもう買っていた。

あの時ギリギリだった私を支えてくれたのは、いつ使ったらいいかわかんないようなド派手な色のコスメたち。あなたたちがいたから、私は頑張れた。

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宇垣美里にQ&A

Q. 「甘える」と「頼る」の違いをどう考えていますか?(22歳・女性)

自分にできないことや抱えきれないものを人にお願いするのが頼る対して甘えは自分でできるけどやってくれる関係性の相手がいて、その人にしてもらうことが甘え、だと思っています。自分一人じゃ無理だなーと思ったら、仕事でもなんでも家事ですら人に頼むし、それは甘えとか思ったことないです。一方、絶対一人で帰れる道を「一人じゃ寂しいよ〜一緒に帰ろうよー」って友達に言うのは甘えだし、わざわざ立ち上がって作るのはめんどくさくて人に頼んで淹れてもらうコーヒーは甘えの権化。最高に美味しく感じますよね。

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宇垣 美里(うがき みさと)
兵庫県出身。2019年3月にTBSテレビを退社し、4月からフリーのアナウンサーとして活躍中。無類のコスメ好きとしても有名で、コラムやエッセイなど執筆活動も行っている。

宇垣美里マネージャーアカウント
▶︎@ugakimisato.mg

宇垣美里『私から見えている景色』 連載一覧

※衣装は全てスタイリスト私物
Text:Misato Ugaki Photo:Kota Shouji Styling:Mana Kogiso(io) Hair&Make-up:Sayoko Yoshizaki(io) Composition Mayuko Kobayashi