これまで映画やドラマで幅広い役柄を演じてきた山﨑賢人くんが、男っぽさ全開で挑んだ『ジョジョの奇妙な冒険』。この映画で演じたのは“男が惚れる男”だった――。そんなイケメンはときどき、天然(笑)?
山﨑賢人の「エキセントリック」をイメージした表情

ガウン¥20000/HEMT PR (オールド パーク) シャツ¥5800/ツナギ ジャパン(ヴィンテージ) パンツ¥84000/アメリカンラグシー 新宿フラッグス店(ブラックミーンズ)
――エキセントリックでいきましょう!
そんな掛け声にのって、自然にダンス・ダンス・ダンス。ワインレッド×イエローのサイケな色使いは、たいていの人には馴染まないと思いきや、国宝級イケメンには馴染む馴染む。
一度一緒に仕事をしてしまったら――。きっと誰もが山﨑賢人くんを好きになる。今回の撮影でも、とにかく自由で元気でハチャメチャで。「ダイヤモンド」と「LOVE」をテーマに撮影したフォトグラファーの笠井爾示さんは、彼が醸し出すダイヤモンドのクールさとLOVEのハッピー感との間のギャップに、「役者だねぇ~」と大いに感心。「クレイジー」と「Peace!」を担当した佐野方美さんは、撮影中は、「カッコいい!」を連発。撮影後に、「どうでした?」と訊くと、大きな声で、「うーん、イイ子!」と叫んだのだった。山﨑賢人くんのスタイリングを担当してもう5年になる伊藤省吾さんも、「裏表がない、あのまんま」と、周囲にハッピーオーラを振りまく天真爛漫かつクレイジーな彼の存在が面白くてしょうがないといった様子だ。
『ジョジョ~』の現場で、共演していた俳優仲間からも、「賢人って、ホントにバカだよね~」とたびたび言われたという。でも、男同士での“バカ”はむしろ褒め言葉。きっと誰もが山﨑くんといると楽しくて仕方がないのだろう。そう言えば、以前テレビで、親友の菅田将暉さんから、「ルックスは100点、中身は0点」と評されてもいたけれど……。
「あれは、俺も上手いこと言うなと思いました(笑)。言葉のチョイスが絶妙!」
表面上はディスられていると思えなくもないコメントでも、ちゃんとその中にある真意を摑む。
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東方仗助は、リーゼントのことをいじられるとすぐキレるけれど、山﨑賢人くんは、周囲に対してどうしたってキレそうにない。周囲からの無言の愛を、ちゃんと受け止めているからだ。でも、映画の中でキレたときの演技は、まさにキレッキレ。
三池監督は、「役者にとっては演じることが一種の“スタンド”(特殊能力)なのかもしれない」と語っていたが、クレイジーからクレバーまで、ワイルドからエレガントまで、役柄によってどんな雰囲気でも身にまとうことができるのは、俳優としては最強の才能であるといえるだろう。
「最近の失敗? 毎日失敗だらけですけど……何だろう? 仕事では、失敗を恐れずに冒険したいし、プライベートでも気の置けない仲間といるときは、ハメを外しちゃうことはあります。ただ、僕、外食だけは絶対に失敗したくないんですよ(笑)。スペインロケでも、最初はスペインらしくパエリアとか食べてたのに、最後はステーキとパスタに落ち着いた。日本にいるときも、外食するときはパスタ、焼肉、ときどきカレーみたいな王道路線です。あ、でも野菜も、けっこうモリモリ食べますよ。身体がビタミンを欲しているのかも。人に連れて行ってもらったお店の料理がすごくおいしくて、“これいいね!”ってなっても、なかなかそれが王道路線にレギュラー入りすることはないし、新しいお店を開拓するとか、そういう冒険もしない。昔、冒険してたなと思うのはファッションですね。柄、色、柄みたいな派手×派手が好みだったこともあったけど、今は、街を歩くときは、風景に溶け込みたい派です(笑)」
食事とファッションの話をするときのその無邪気さが素敵にクレイジー。


ダイヤモンドは砕けない 第一章』
累計発行部数1億部の大人気漫画が満を持して実写映画化!
〈スタンド〉と呼ばれる特殊能力を持つ高校生、仗助。彼の住む町で起こった連続変死事件で凶悪犯アンジェロに関わったことから、次の標的になってしまう。家族と町を守るために、戦うことになるが……。8月4日(金)全国ロードショー
PHOTO BY Masami Sano Styling:Shogo Ito Hair&Make-up:Taichi Nagase(VANITES) Text:Yoko Kikuchi