笑って泣けてえぐられる恋愛とSEXの金言集こと、漫画『アラサーちゃん』の作者・峰なゆかさんにリアル過ぎる恋愛のアレコレをインタビュー! ViVi読者からいただいた性のお悩みについても答えてもらいました。
AV女優なのに童貞ひとり筆下ろしさせられない
──峰さんはViVi読者と同じ年齢のころ、どんな恋愛をしていましたか?
私は19歳でAVデビューしたので、ViVi読者の方と同じぐらいのころは、専門学校に通いながらAVに出ていましたね。
そのころの彼氏は28歳とちょっと上だったけど、彼は私がAVに出演していることも知っていました。反対するどころかむしろ「俺の彼女はAVに出て、日本中の男たちが彼女を見ているんだ! 最高!」と興奮する“寝取られ気質”で……理解がある人でした(笑)。
そのあとは同級生の童貞くんと付き合って、誘ってもなかなかセックスに至らなかったので、エッチは(撮影)現場オンリー。「AV女優なのに、私は童貞ひとり筆下ろしさせられないんだ……」と落ち込んだこともあります。
とにかく恋愛のことでは悩んでいました。みんな、「AV女優はセックスや恋愛のプロ」なんて思っているかもしれないけど、実際はそんなことないんですよ。
──AV女優だからといって、セックスのプロではない、と。『アラサーちゃん』でもヤリマンちゃんというキャラが、「自分は外(クリ)派」だと言って、主人公のアラサーちゃんたちに陰で笑われる……という回がありましたね。

©扶桑社/峰なゆか
そう、それと同じです(笑)。わたし、ヤリマン気味ではあったんだけど、AVの撮影で台本に書かれていたダイレクトな淫語が、恥ずかしくて読めなくて、共演した女優さんに叱られてしまったこともあります。
今は特訓の成果で淫語を言うことはできるようになったけど、セックスの最中に言うのはまだ抵抗があります。AV女優といっても、実際はそんなものなんです。
──峰さんが『アラサーちゃん』を描きはじめたのが9年前、『週刊SPA!』の連載が開始したのが8年前になりますね。
描きはじめた当時、私は26歳。主人公のアラサーちゃんはそれまでに出会った中で一番イケている女子の外見・内面・モテテクをすべて盛り込んだキャラとして描きました。
そして9年経った今、登場人物の中で自分に一番年齢が近いのが34歳のゆるふわちゃんです。はじめは「その年齢で、こんなイタい行動して大丈夫?」と思ってもらえるように描いていたんですが、実際に自分がゆるふわちゃんの年齢を超えた今、思うのは「本当のイタさを全然わかっていなかった」ということ(笑)。
でも、サイン会で「なんで峰さんは、非モテちゃんの気持ちがわかるんですか!」と言ってくれた方がいたんです。そっちのことはちゃんとわかっていたんだって励みになりました♡

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「一度もイッたことがない」。読者の悩みに峰さんがお答え!
──人一倍、恋愛&セックス経験が豊富な峰さんに、ViVi読者から寄せられた性のお悩みにも答えてもらいました。
Q. 一度もイッたことがありません。苦痛しかないのですが、どうしたらイケますか?(21歳・大学生)
A. セックスの経験があまりないときって「イケないと半人前」って思いがちですよね。私もかつては、「イクときは、宇宙が見える!」と信じていました(笑)。
痙攣して白目をむいちゃうくらいの快感……そんなドラマチックなものを想像していたけど、ある時、「オナニーで気持ちよくなったあの感じって、セックスでも割とあるんだけど、え、あれがイクってこと? しょぼくない?」ってショックを受けたのを覚えています。
単にイクだけだったら、振動系の大人のおもちゃを使えばいいんじゃないかな。でも多分、理想としているセックスとは違うものになってしまう気がします。
そもそも女性も男性も、イクだけなら、ひとりでしたほうが断然ラクだと思うんです。じゃあなぜわざわざセックスをするのか、と考えると、イクことが目的じゃなくてコミュニケーションのひとつだからだと思うんです。
「イク」にも種類があって……自分でするオナニーでの「イク」、相手と絡み合うことで得られる深い快感の「イク」。実際のセックスでの快感って、「イクかイカないか」という、イチかゼロかの話でもないんじゃないかな。
セックスを楽しめるようになるための道のりは正直、長いです(笑)。だから最初からイクことを目標にせず、まずは、「セックスを楽しむこと」から始めるほうがいいと思いますよ。

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峰流「フェラ」の楽しみ方
Q. フェラはしてあげるほうがいいの? やり方もよくわかりません!(23歳・大学生)
A. 絶対にしなきゃいけないものじゃないと思うけど、嫌じゃなければしたほうがお互いに楽しめるよね。
そもそもこの相談にある「フェラしてあげる」という部分がひっかかるんですよね。それについて『アラサーちゃん』にも描いたんですけど、その言葉の裏には「自分にはメリットがない行為だけど相手のためにやってあげてる」という気持ちがあるような……。
フェラって、したところで直接的な快感には結びつかないし、楽しいって感じるのは難しいよね。

©扶桑社/峰なゆか
そもそも多くの男性がフェラのときに無反応だから、女性が楽しめないんじゃないかな。それってAVの影響もあるかもしれない。AVでは、男優さんは女優さんを引き立たせるために、あえてフェラの最中に反応しないようにしていることが多いんですよね。その影響で男は声を出したらいけないものと思われてるのかもしれないけど、無反応はきつい!
しかも現実には、気持ち悪くなく(ここ大事!)、反応してくれる男性って少ないんです。なにも反応しないか、気持ち悪いアエギ声を出すか、みたいな(苦笑)。
そこで、私がやっているのは“寸止め”です。
相手がイキそうになったら、手や舌の動きを止めて、しばらく様子を見てまた再開をするというのを繰り返す。そして相手が声を出したらその反応を褒める。そうすると、お互いにフェラを楽しめるようになってくる。そこにいくまでがすでに結構長い道のりですけどね……。
また「やり方もよくわかりません!」とありますが、フェラには「抜きフェラ」と「見せフェラ」の2種類あると思うんです。
「抜きフェラ」は、反応を見ながらローションや唾液を使って、カリの周りを刺激しながら上下運動をすること。これは直接的な刺激なので、主に実践でしか学べないものです。
対して「見せフェラ」は、派手に唾液の音を出したり、舌先でペロペロしたり、大胆に舐めてみたり……実際の快感よりも見た目がエロいものです。これはAVで見て学べるもの。
実際のセックスでは最初に「見せフェラ」をやって、それから「抜きフェラ」をするのがベーシックかな。
フェラって、テクが上がると楽しくなるし、彼の反応も楽しめる。「彼のためのご奉仕」と考えるよりも、自分の技術を向上させるため!と思うのもひとつの手かも。
でも上手になりすぎると、セックスじゃなくてフェラだけを求められてしまいかねないから……。勉強もほどほどにね(笑)。

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究極の質問!「一番よかったセックス」って?
Q. 今までで一番よかったのは、どのようなHですか?(21歳・大学生)
A. これは難しいですねぇ……。
肉体的に気持ちよかったのは、自分の性欲が高まっていたときにセフレとしたときかな。恋愛感情がない相手のほうが、セックスへの集中力が高まって快感としては大きかったりもしますしね。
エピソード的に印象深いのは、小学生のころに好きだった男の子と高校生になってから再会して、やったことかな〜。
その子は、ずっと人気者でいわばスクールカースト高めの男の子。かたや私は彼に憧れていただけで、ほとんどしゃべったこともない地味な立ち位置で。そんな彼と偶然に再会してエッチしたんですけど、快感よりも、勝利した!という感じがありましたね(笑)。
高校時代も私はたいしてスクールカーストの高い位置にはいなかったので、「俺とやったこと、絶対に誰にも言うなよ!」と言われたんですが、もちろんまわりには後日、しっかりと言いふらしました。それも含めて一番いいHだったと思います(笑)。
恥ずかしがり屋さんには「目隠しプレー」がおすすめ!?
Q. 恥ずかしさが勝ってしまって、Hを楽しめない……。経験を積めば大胆になれて、もっと気持ちよくなるのでしょうか?(25歳・会社員)
A. そんな人にオススメしたいのは目隠しプレーですね。
「明るいと恥ずかしい」「見られていると恥ずかしい」という感覚もなくなるし、舐められるのが嫌という人でも目隠しをすると股を開く、という話を聞いたこともあります。
そしてなぜか目隠しをしたほうが、普段以上に声が出るんですよね。これは男の人も同じ。
特別な道具がいるわけでもないから、タオルなどで気軽に試してみては?
大胆な自分自身にも徐々に慣れていくと思いますよ!

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エッチしたい気分のときに、淡白な彼を誘う方法は?
Q. したくてたまらない時があるのですが、彼をどう誘えばいいですか?(19歳・専門学校生)
A. これは恋人かそうでないかで違ってきますね。
もし恋人ではない人とエッチしたいと思ったら、私の場合は「セックスしよ♡」ってストレートに言います。ほとんどの男の人は「え、いいの!?」ってなりますよ。
そもそも断られる場合って、どう言っても断られると思うんです。
ただ女性から誘うほうが断られる率は低いと思うんです。私は、女に生まれた唯一のメリットは、適当な誘い文句でもセックスができることだと思っています(笑)。
すでに恋人同士で彼を誘うのなら、「今週の金曜の夜にしない?」って日程を決めて言うのも手。そのほうが相手もどんなことしようかと考える時間もできるし、お互い楽しみにできますよね。
あとは、もし彼がセックスに対して淡白なら、「セックスがめんどくさい……」なんて思ってるケースもありますよね。その場合は、「めんどくさくないセックス」を提案してみてはいかがでしょう。
一番めんどくさくないのは、朝勃ちを利用したセックス。
なんの根拠もないのに、「朝だとサクッと終わらせてもいい」と思っている人も多いですよね。朝だからじっくり前戯をしなくていいし、時間をかけずにできるかもしれない、と。
これが毎回だとちょっと考えちゃうかもしれませんが、ひとつの策として知っておいてもらえたらな〜と思います!
まずは自分がセックスを楽しむ♡
──最後に、ViVi世代に伝えたいことは?
セックスはまず、自分が楽しむことが大切だと思います。「相手を気持ちよくさせよう」とか、「彼を楽しませよう」なんて思うよりも、まずは「自分が楽しくなろう」「気持ちよくなろう」と思ったほうが、結果的に相手が喜びます。
おじいちゃんおばあちゃんだって、自分が楽しむよりも孫が楽しんでいる姿を見るほうが楽しいって、よく言うじゃないですか。それと同じように、あなたが楽しそうにしている姿を見たら、彼自身もきっと楽しいと感じてくれるはずです。それぐらいのスタンスでいいんだと思います。
逆に「彼のために尽くさなきゃ」なんて、まるで無料風俗嬢のような恋愛やセックスをしていると、苦しい恋愛に陥ることもあります。若い頃にそんな恋愛をしてほしくない!
『アラサーちゃん』には、恋愛やセックスについて、みんなが悩んでいるようなことも描いているので、ぜひ読んでもらえたら共感していただけると思います。
そしてViVi読者はファッションに興味がある人が多いと思うので、『もっとオシャレな人って思われたい!』人にも手に取ってもらえたら、ますます嬉しいです♡

Photos: Tohru Daimon Text: Akemin