エンタメ

“初めての時の気持ち”を忘れないでほしい。佐藤ノアが音楽やライブに込める想いについて【佐藤ノア コネクト#32 】

2019.12.09

SNS総フォロワー180万人越えのインフルエンサー、佐藤ノアちゃん。今週は、彼女が所属するバンド、suga/es(シュガレス)の最新フルアルバムのタイトルにもつけた、映画『ヴァージン・スーサイズ』(1999)にまつわるお話の後編をお届けします。アルバムへ込めた想い。そしてノアちゃんにとって作品を作ることとは?【佐藤ノア コネクト#32 】

前回の記事はこちら

私たちのライブは「処女自殺」と同じかも。何かを得るためには何かを失わなければならない【佐藤ノア コネクト#31 】

このアルバムで初期衝動を思い出してほしい、っていうのは、私自身へのメッセージでもある

Page 2

あの頃感じた、“初めての時の気持ち”

じつは少し前のライブで、『The Virgin Suicides』という企画ライブのタイトルについて話したことがあって。

ライブハウスに来たことない人が、“何かを喪失しても一歩進もう”という気持ちで自ら足を運んでくれるってことは、このライブのタイトルに、“処女自殺“ってにすごく合ってると思う。

それに、これまで何度も足を運んでいる人にも、そういう初期衝動を忘れないでほしい。

私たちのライブで、あの頃感じた“初めての時の気持ち”を思い出してもらいたいし、いつも新鮮な気持ちでいれたらいいよね、そういう気持ちを込めてライヴします、って。

Page 3

言葉は直感的に後から生まれてくる

私はライブのMCは毎回ほぼアドリブで話しているし、この時も、お客さんの顔を見ながらただ心に浮かんだことを話したつもりだったけど、MCが終わった後に「あ、これだ」って思った(笑)。

私って基本的にいつも直感で行動していて、言葉はいつも後から追いかけてくるんだよね。

頭で考えてること、心で思ってることはたくさんあるけど言葉にしていないから自分でも気付かない。そして何かを選び取った後に「なぜ、これだったのか」を考えると、それ以外は考えられなかったっていうくらいに必然の理由がいくつも出てくる。

それ自体は全然いいと私は思っていて、今回もまさにそんな感じだった。

で、そういう気持ちが詰まったこの言葉をアルバムのタイトルにするのすごくいいなと思ってメンバー2人に話したら、二つ返事で「いいよ」って。

Page 4

その時のその気持ちは二度とないかもしれないから

CDがまったく売れないと言われてる時代だからこそ、みんなの“初めてのCD”になったらいいなと思うし、あと私たちの曲は80〜90年代のパンクロック、Green DayやSUM41あたりのバンドにインスパイアされてることが多いから、今の30〜40代の人が聴いた時に「あれ、このフレーズなんか聴き覚えあるな……ああ、初めて買ったCDのあの曲だ」みたいなことがあるといいなぁ、って気持ちも込めてる。
初めて買ったCDや、その頃の気持ちを思い出すような作品であって欲しいな。

それこそ映画の『ヴァージン・スーサイズ』には「でも先生は、13歳の女の子になったことはないでしょ」って有名なセリフが出てくるんだけど、それと同じで、幼い頃の純粋な気持ちって大人になると忘れちゃうから。

これは、私から私自身へのメッセージでもあるかな。

バンドって、ライブやるだけでいいなら楽しいけど実際はそうじゃない。何人もの人が集まってバンドを組む以上、いろんな人間関係が生まれるのは当たり前で。

私はメンバー以外も、プロデューサーや作曲家の人、サポートメンバーも全員suga/esのメンバーだと思ってるから、それだけ妥協しなきゃいけない場面も、我慢しなきゃいけないこともたくさんある。もちろんお互いに。

そういう難しさで、バンドを素直に楽しいと思えない時もいっぱいあるからこそ、バンドを始めた時の気持ちを、音楽への初期衝動をこのアルバムで思い出したいな(笑)。

Page 5

佐藤ノアにとっての作品って

いろいろ話したけど、私たちのアルバムを聴いてどう感じるかは人それぞれでいいし、その時その時で曲への解釈が変わってもいい。
実際、パッと聴いた感じは恋愛ソングっぽいけど、人によっては全然違う受け取り方をするような曲もいくつかあるから。私だって、今はこう言ってるけど2年後は全然違うこと言うかもしれないし(笑)。

聴き方にも解釈にも正解はたぶんないから、一度聴き込んで飽きたら、一旦離れてもらってもいい。
それで何年後かにまた聴き直して、大人になった自分に重ねてまた違った解釈で楽しんでもらえたらいいな。
だっていつか私たちがバンドを辞めたとしても、私たちの音楽は永遠に残るし。

作品ってそういうものだと、私は思ってます。

Page 6

今日のオフショット

「渋谷駅1番線山手線ホーム 8号車乗り場 椿ちゃんの看板」

Text:Noah Sato Photo:Kenji Nakazato Styling:Hitomi Imamura(io) Hair&Make-up:Naya Composition:Megumi Yamazaki ArtDirection:Mayuko Kobayashi

PROFILE
佐藤ノア(ViVi creator)
Birth:1997年7月9日生まれ
City:北海道出身
Instagram、Twitter、YouTube、TikTok。全方位に多数のフォロワーをもち、若い女性から圧倒的支持を集める超人気インフルエンサー。2016年にバンド『suga/es(シュガレス)』を結成。裏表のないキッパリした発言でも話題に。

ドレス(参考商品)/Dramatica カチューシャ/スタイリスト私物

佐藤ノア『コネクト』連載一覧