2019年2月公開の映画『フォルトゥナの瞳』で初めてラブストーリーに挑戦した神木隆之介さんと、ヒロインを務めた有村架純さん。何と共演は4度目というお二人。作品のこと、お互いのこと、男女のここが分からない!ということまで、仲良く語り合ってもらいました!
俳優歴20年を超えた神木隆之介さん。それでも驚くことに、ラブストーリーを演じるのは今作が初めてなんだそう!
神木「撮影が始まる前に監督から手紙をもらいました。ラブストーリーを描くにあたって、僕が演じる慎一郎の孤独な気持ちの背景とか、慎一郎が愛することになる葵という女性について綴られていて、最後は『みんなで一緒に作っていこう』という言葉で締めくくられていました。初のラブストーリーということで緊張していたのですが、愛情を受けているなぁとジーンときて、やるしかない!と気持ちが強まりましたね」
有村「神木君とは17歳のときから何度も共演していて。直近の共演だった『3月のライオン』のときに、『神木君のラブストーリーも見てみたいな』なんて言ってたら、まさかの相手役が私で。びっくりしましたけど、すぐに『どんな空気感のカップルになるんだろう?』と楽しみに切り替わりました」

今回、演じるうえで難しかったことは?
神木「僕は自動車整備工の役だったので、作業着姿にリアリティが出るよう『体を鍛えて』と言われました。だから常に腕立て伏せをしたり腹筋をしたりしていて。撮影中ずっとどこかが筋肉痛だったんです」
有村「私は、葵という女性を演じること自体がとても難しかったですね。葵は常に笑顔で服装も上品で、男性にとっての理想の女性だと思うんです。でも理想に徹することで、どこか自分を守っているというか……。本当の気持ちを表現していないので、そこはどうアプローチしようか悩みました」
初の恋人役に関してはいかがでした?
神木「旧知の仲なので休憩中も僕がフザけていて、よく監督に『二人とも、ちゃんとして〜』と言われていました(笑)」
有村「そうだったっけ?」
神木「そうだよ! 架純さんは、僕に全然興味がないんですよ……」
有村「そういうわけじゃ……。でも、たしかにとくに覚えていないくらい、いつも直前までフザけてますよね。なのに本番になったら一瞬で切り替わる。そこのスイッチは本当にすごいなと思っていました」

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”フォルトゥナの瞳”には、死を目前にした人が透けて見えるという力があります。しかしその人を助けると自分の体が蝕まれる、というジレンマを抱えています。もしお互いの体が透けて見えたら、自分が代償を払うことになっても助けますか?
有村「大切な人が亡くなるのは見たくないし、自分が助けなかった、という思いを抱えて生きていくのも苦しいですよね。究極の選択ですけど、自分に何かできるのなら、助ける方を選ぶかもしれないなと思います」
神木「え〜、そんなこと言われたら僕もそう言うしかないです(笑)。いいっすよ、架純さんのために何でもやります」
有村「気持ちこもってないな〜(笑)」

では初のラブストーリーということで、「男(女)のここが分からない!」という部分についても是非お聞かせください。
神木「女性って『怒ってないよ』と言って怒っているときがあります。僕、学生時代は学級委員長だったのですが、クラスの相反する意見もまとめなきゃいけない。それで話し合って納得してくれたと思ったら、ある女子にチッと舌打ちされて! 『もう一回話し合おうよ』と言っても『いや別に』と言われて、苦労した思い出があります」
有村「女性は意地っ張りですからね。私が女性にはあまりない面だな、と思うのが、何でもすごく突き詰めるところ。男性って趣味とか好きなことをすごく追求しますよね」
神木「僕もそういうところがあります。『3月のライオン』のときも棋士を演じるにあたってアマチュア初段を取りましたし、今回の撮影中もずっと架純さんに鉄道のウンチクを語っていました。『そうなんだ〜』と流されましたが」
有村「鉄道のことはよく分からないけど、好きなことをとことん追求する姿勢は尊敬してますよ! 私はとくに趣味がないので……」
最後に、お二人のようにしっかりとした実力をつけ活躍していける大人になるには、若い頃にどんなことをしておくといいかアドバイスをください!
有村「いろんなものを見たほうがいいと思います。景色、本、映画、漫画、ファッション……。そうやって五感を働かせることで、自分の感性も磨かれていくと思うんです」
神木「いろんな人と話すのもいいかもしれません。すると自分の常識が相手の常識じゃないこともあると分かってくる。違う価値観を受け入れられるようになったら、自分の幅も広がって人生が絶対楽しくなると思います!」
■ PROFILE
神木隆之介
1993年5月19日生まれ。埼玉県出身。5歳から俳優として活躍。2019年は映画『Last Letter』、『屍人荘の殺人』が公開予定。
有村架純
1993年2月13日生まれ。兵庫県出身。2017年に主演を務めたNHK連続テレビ小説『ひよっこ』の続編『ひよっこ2』が3月に放送予定。

『フォルトゥナの瞳』
幼い頃、飛行機事故で家族を亡くした慎一郎(神木隆之介)は、死ぬ直前の人が透けて見える“フォルトゥナの 瞳”を持っていた。孤独と自分の持つ能力に苦悩する中、葵(有村架純)という女性と出会い、人生に彩りが生まれる。しかしある日、葵の体が透け始める……。原作は百田尚樹の同名小説。2019年2月15日より全国公開。
撮影/Melon スタイリスト/百瀬豪(神木さん分)、瀬川結美子(有村さん分) ヘアメイク/MIZUHO(神木さん分)、尾曲いずみ(有村さん分) 取材・文/山本奈緒子