2017.03.23

佐久間由衣、ViViを卒業します! 女優としてお芝居の道へ――。

4月からは女優としてお芝居の道へ――。佐久間由衣、ViViを卒業します。 小さい頃から、物語の中で生きる自分を、たくさんたくさんイメージしてた。大好きなファッションにときめきながら、大好きなお芝居では傷つき、でも挑戦した。18歳まで受け身だったさくちゃんが、22歳になって、自分で夢を摑むまで――。

ViViは自分の中で
大切にとっておきたい特別な場所。
大きくなって恩返ししたい
心はずーっと揺れていた。
18歳で、ViViのオーディションに受かるまで。大切な出会いは、自分から積極的に摑みにいかなくても、向こうからやってくる。待っていれば、きっとくる。勝手にそう思い込んでいた。

「小さい頃から、ドラマや映画が大好きでした。その物語に夢中になるっていうより、女優さんたちのお芝居を見て、〝自分だったらどうするかな?〞なんて空想するのが楽しくて」

何かに夢中になると、周りが見えなくなる。主人公の苦悩が細かく描写された本を読んだりすると、しばらくその世界観が頭から離れず、日常生活でも重い気分を引きずったり。だから、物語の世界をお芝居という形で具現化していく芸能界に、ずっと憧れはあった。でも、〝女優なんて無理〞と思い込んでいた。高校卒業後、2週間、アメリカに語学留学することを決めた。親にも相談せず、アルバイト(引っ越し屋さんとか、肉体労働もやった)で貯めたお金をはたいて、自分で学校を調べて、すべて自分で手続きをした。

「そのとき、私の中で初めて、〝受け身でいたらダメだ〞って気持ちが生まれました。日本人って、英語が喋れる人は積極的に喋れる人たちの輪の中に入っていくけど、喋れない人は喋れない人同士で集まっちゃうんです。だから、英語が上達しないまま帰国する人も多くて。私は安易に、環境を変えてそこに順応していこうと思ってたけど、結局、どこにいても〝自分次第〞なんですよね。どこにいても、自分を持っていないと、何も始まらない」

たった2週間だったけど、いっぱい悩んで、いっぱい考えて、〝自分次第〞という答えを見つけた。それから日本に戻って、9月、ViViの専属モデルのオーディションに合格する。

「メイクしてもらって、素敵な服が着られて、写真も可愛く撮ってもらえて……。モデルの仕事は、楽しいことばかりでした。でも、毎回ウキウキした気持ちで現場に向かいながら、責任感みたいなものも生まれたんです。だって、自分のことをある程度わかってないと、洋服って着こなせないから。自分や服を可愛く見せるテクニックが、私の中には全然足りなかった。可愛い写真を選んでもらうんだけど、〝いつもこういう感じだな〞っていう反省があって。もっと違う自分を表現したい、自分の幅を広げていきたいなって、ずっと思ってました。ViViのモデルたちは、みんな自分の見せ方が上手だったし、現場でプロの人たちのものづくりに対する真剣な取り組み方を目の当たりにして、〝もっと、もっと〞っていう表現に対する強い欲求が生まれて来たんです」

アメリカ留学の時と同じだ。自分って何? 何をしたい? 大切なことを摑もうとすると、いつも〝殻を破れない自分〞の壁にぶち当たる。そんな中、ある日映画出演の話が舞い込んできた。憧れていた芝居の仕事。「やったぁ!」と喜んだのも束の間、出来上がった映像を見ると、思い描いていた自分の姿と違って、ショックだった。そこにいたのは、役の人物じゃなく〝ただの自分〞だった。

「その次の年、今度は深夜ドラマのお話があって。オンエアを観たときは、映画以上にショックでした。役が何を考えているのか見えてこない。これじゃ観ている人も、感情移入できないんじゃないか。自分のよくない部分がたくさん出てしまっていて、〝これじゃ全然ダメだ!〞って思いました。あまりに落ち込んで、〝もう女優は諦めよう。私にはできない〞って……」

いろんな人に悩みを打ち明け、相談に乗ってもらった。すると、先輩たちに「そんなの、芝居を始めたばかりの頃は、誰だって同じだよ」と言われ、ハッとした。

「〝ベテランの役者さんだって、毎回思い通りになんかできなくて、悔しい思いをしてるんだよ。仕事が来てやるやらないを決めるならまだしも、話もないうちから、やらないって決めるのはおかしいよ〞って。私は自分のことを自分で〝ダメだ〞って決めつけすぎていたんですよね。それで、ちゃんとお芝居の勉強をしようと思い立って、1年ぐらいワークショップに通いました」

そこで、ようやく自分の芝居の何がダメだったかを知った。役を演じることは、台詞を言うだけじゃ成立しない。台詞に書かれている以外の気持ちを全部埋めることが大切だと教えられた。台本に書かれているのは台詞とト書きだけだけれど、役者は、それを立体絵本みたいに、役の気持ちで全部埋めていかなければいけないこと。書かれていないシーンに何があったか、考えなきゃいけないこと。

「怒りをぶつけるシーンとか、自分のイヤな面と向き合わなきゃいけないときもあるんです。怒りや悲しみの感情表現って、つい自分の経験の中から探ろうとしちゃうけど、それだとサイズが全然足りなかったりする。この子はもっと苦しい、もっと悲しい。じゃあ、どうしたらいいんだろう?って考えると、自分をとことん追い込んでいく必要もある。モデルと違ってお芝居は、楽しいとか好きだからという気持ちだけじゃできないな、と思いました」

さくちゃんの心の奥には、自分でもコントロールできない激しさとか衝動のようなものが眠っているのかもしれない。挫折があって、葛藤があって。ついに昨年の夏、朝の連続テレビ小説のオーディションに合格。4月3日からスタートする「ひよっこ」で、有村架純さん演じるヒロインの幼馴染役で、毎朝、テレビでさくちゃんが観られることに。

「〝決まった!〞って報告を受けたときは、嬉しくて涙が出たけど、すぐに、〝喜んでいる暇はない!〞と気を引き締めました(笑)。私が演じる時子は、ひたむきな女の子で、私、彼女を尊敬してるんです。芝居のテクニックはなくても、時子を思う気持ちだけは人一倍です(笑)」

お芝居に専念するために、さくちゃんは今月でViViを卒業する。

「ただ、専属っていう形ではなくなるけど、〝さよなら〞だとは思ってないんです。ViViは私の中で、ずっと大切にとっておきたい場所。私が女優として一人前になることが、育ててくれたViViへの恩返しになると信じて頑張るので、いつかまた呼んでください!」

Tシャツ¥3980/バロックジャパンリミテッド(MOUSSY) ワイドデニム¥8900/SPIRALGIRL バングル¥5547/Ungrid

Photo:Kenji Nakazato Hair&Make-up:Hitoshi Nobusawa Styling:Mikako Chinen Model:Yui Sakuma(ViVi exclusive) Text:Yoko Kikuchi Design:attik

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