2018.06.24

安室奈美恵からの生きるヒント!時代のミューズが語る、人生で本当に大事なこととは?

自分自身を客観視する力。

安室奈美恵の圧倒的な凄さのひとつに、
抜群のセルフプロデュース力がある。

自分はダンスと歌に集中し、
作詞作曲はその道のプロに託すことを徹底するスタイルに私はそれを強く見る。

「もし私が安室さんだったら、
ものすごい額になりそうな印税のことを想像すると、
自分で作詞しようかなっていう〝邪念〞がよぎる気がして……」

と正直に話してしまった私に、
「ふふふ。最初は少し、私もよぎったこともありますよ」
と安室さんはサラリと笑ってこう続けた。

「でも、無理をしてやっても、無理をしたものしかできないですから」

―――完璧なものしか作りたくないという徹底された美学が垣間見えて、
私は思わず息を飲んだ。
そして、完璧な自分を作りあげるために必要なものこそ、
自分自身を客観視する冷静な目線。

「今の自分には何が必要、などと冷静に考えられるようになったのは20代後半くらいからですが、産休をとった1年も私の中では大きなターニングポイントでした。

自分で休むと決めたものの1年は長かったんじゃないか、
と一時期焦りがピークに達してしまって。

でも、もう自分で言ったのだから休むしかない。
その焦りと葛藤が収まったときに、
初めて、 しっかり一歩引いて『安室奈美恵』を見ることができたんですよ。
(産休の)後半の数ヵ月はテレビを見ながら冷静に、
〝私ってもしかしてこういう位置だったのかも〞とか考えていました。

あの期間は大きかったですね」

1年間の〝休み〞とはいえ、育児そのものが大変な時期でもある。
生まれて初めての経験とセットで味わう猛烈な焦りは、想像するだけで過酷そのもの。

「本当に、そうですね。あとはやっぱり、
そういう過酷な状況に追い込まれたからこそ
気づけたというのはあると思います。
自然と気づく、というのはなかなか難しいですよね。
ただ、客観視できるかどうか(の力)は応用がきくので、
それができるヒトは何をしてもうまくいきますよね。
10 代後半や20代半ばだと難しいですけどね。

それを20代のうちに身につけられるかどうか、
で、やはり30代が大きく変わってくるとは思います。
そこに気づける子と気づけない子ではだいぶ違うと思うので。
それができたらいい30代を過ごせますね(笑)」

努力の積み重ねは、必ず身になる。

私自身が20代の頃には気づけなかったことの一つに、人生の長さがある。

早く欲しいものをできるだけ〝短距離〞で摑みたいと焦っていた半面、人生もキャリアも実は〝長距離マラソン〞だった事実に30代で気づいた時はハッとした。

25年もの間、トップを走り続ける安室さんの原動力はどこからくるのか。

「好きなことを仕事にさせていただいていた、というのは大きいですよね。歌もダンスも、そこはもう飽きることなく。ただ、もちろん〝好き〞と〝お仕事〞のバランスに葛藤した時期もあります」

好きなことを仕事にできたとして、
好きな気持ちを持続させることもまた簡単なことではない。

「好きを嫌いになる恐怖はありましたね。10代の頃はそれこそ〝好き〞だけでしたけど、やっぱり20 代は(好きとお仕事が混在して)いろいろとバランスに悩む時期なんでしょうね。

悔しくて泣いたことももちろんいっぱいありますし、でも切り替えは早くやっていかないと、気持ちの引きずりが遅れとなって(作品の)質がどんどん落ちてしまう。でも引きずる気持ちもあるし(笑)。焦りますよね。

もともと私は、とても悩むタイプなんです。

何をするにも遅いスロースターターで。気持ちの切り替えも持っていき方も考え方も、全てに果てしなく時間がかかる。気づいてからどうしなきゃいけないか、にも悩んでしまうので ……」

若くしての成功と今に至る実績から、
誰よりも行動スピードの早い人だと思っていたことを伝えると

「いえいえ、ほんとうにそういうタイプではないんです」と首を横に振る。

「小室さんのプロデュースを離れた頃、

楽曲をリリースしても〝あれ? あまり気に入ってくれなかったのかな?〞

と 思う時期があって。
きっと私自身が、若さからくるトゲトゲしい勢いを失って、丸くなっていたんでしょうね、気持ちが。

そのときに〝みんなは強めの安室奈美恵が好きなのかな〞って思いました。(変化は)自然なことではあるんですけど、(内側の)熱いものはやはり意識して燃やしておかないといけないなって。

自分自身から醸し出すのが無理なところは、
詞の世界観とか楽曲のリズムやビートで出して、
音楽の力で自分を強い安室奈美恵、かっこいい安室奈美恵に持っていく、というのをやっていくようになったら、スムーズに〝好き〞と〝結果〞のバランスがとれはじめたんです。

セクシーとかきれいとか可愛いっていうカテゴリーが自分の中にはなくて、唯一、10代からやってきて、周りからも支持してもらえたのが〝かっこいい〞だったと思うので、初心は忘れちゃいけないな、それを忘れると私じゃないんじゃないかなと思うようになりました。

ただそうやって20代にとことん悩んだことで、
不安をあえて捨てて
〝好きなことを自由に思いっきりやろう! 
ジャンルを決めこまず、今歌いたい曲だけを歌おう!〞

という30代がきたというのはあると思います。
積み上げた努力というものだけは、必ず身になるんですよね。

気持ちを切り替えるスピードについても、
これは引きずっていいけどこれは ダメ、
というのが 30代でやっとわかるようになってきて。

だからやっぱり20代はとにかく経験! 
いっぱい泣いてもシワなんてできないし、大丈夫(笑)! 
その経験が30代に役に立つ。

そこで選んだものを30代で極めていって、
40代はその量よりも質をあげていく。
私はそういう感じでいこうかな、と思っています。
進化はしていかなきゃいけないので(笑)」

現代のSNSとの付き合い方。

公式SNSを一切やらない安室さんが、
もし現代を〝普通の若い女の子〞として生きていたら? 
インスタをやるんだろうか。
どんなアカウントになったのだろう。

「ふふふ。それは絶対にーー」やらない、と言うのかと思ったら、

「やっていたでしょうね! 
ハマってると思いますね(笑)。
だって、現代のマストアイテム!じゃないですか(笑)」。

言葉をひとつずつ選びながら丁寧に話す安室さんが、
突然思い切りのいい意外なワードをポーンと明るく出してくる。

そのタイミングも絶妙で面白くって、場が笑いに包まれる。
「意外です(笑)。自撮りもするアカウントになったでしょうか?」
と問う私に、

「やはりそこはどうしても、私の自撮りが主体になってしまったでしょうねぇ」 とクスクス笑う。

「ただ、大変だろうなぁとは思います。
今の時代は人を焦らせてしまうストレス社会ですよね。
私の場合は(セルフプロデュースする)お仕事だからそういうストレスはないですけど。

その日だけ『いいね!』が少なかったりしたら、
今日は何がダメだったんだろうって気になってしまいますもんね。
他の人が自分を他人と比べるのではなくて、
自 分自身で自分を他人と比べてしまうし……」


このSNS時代をうまく乗りこなすコツを聞くと、
安室さんはSNSを自分の仕事とも重ね合わせながら、
今の女の子たちに感情移入して考えてくれる。

「うーん。
ITデトックスも大事だとは思いますけど、
向いている人はもうドンドンやればいいと思います。
前に、出たいですもんね。
チャンスも摑めるし。
でも、向いていない人は、見る側にまわるとか。
今の私がまさにそうなんですけど。
人のを見て楽しむだけ、みた いな。
SNSを見て苦しくなっている時間が
一番もったいないですから……。

その時間の代わりに
自分に向いているものを探したほうがいいかなって」


ここでも大事なのはやはり自分のタイプを見極める力なのだと考えていたら、
「ん、たとえば……」と、
安室さんが〝S NSと理想的に関わるクールな女の子像〞をパッとひらめく。

「ツイッターもインスタも何もやっていないのに
トレンドを押さえてます、とか。
SNSでそれを自慢もしないけど、
実は毎晩こっそりSNS(でのトレンド)チェックだけはしていて(笑)、
サラーッと流行りものを持っている女の子って
一番クールじゃないですか?」

「最高です、そんなカッコイイ女の子!」

「ね? そうですよね(笑)」


……続きはViVi2018年8月号でチェックしてね♡
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