2018.09.06

攻め続ける伝説のスター♡木村拓哉の武器とは?

彼がカメラの前に立つと、一瞬にして〝木村拓哉ワンダーランド〞が出現した。見る側に常に 〝ワンダー(驚き)〞をくれる彼は、センスと才能以上に、強さと優しさが 溢れていた。常に野性を研ぎ澄まし、攻め続けるスターが、自らの10~20代を振り返りつつ、ViVi読者に熱いメッセージを贈ってくれました!【2017年6月号より】

過酷な自然環境に身を置くことで、自分の中にある〝野性〞が研ぎ澄まされた気がする

ちょっとした思いつきだった。映画で"不死身の身体を持つ男"を演じたのにちなみ、刃物と木村さんを絡めてみたくて、ナイフとリンゴを用意した。最初にリンゴを手にすると、特にこちらが「食べてください」とお願いしたわけではないのに、ワイルドにガブリ、と齧りつく。

ナイフを手にすると、器用に端をカットし、それを口に入れた瞬間カメラを真っすぐに見つめた。

フォトグラファーが、「リンゴを、2つに割ってもらうことできますか?」と無茶ぶりすると、「そんな怪力じゃねーし!」と笑いながらも、両手にリンゴをギュッと挟んで、前屈みになった。少し、リンゴを持つ手の角度を変えたりしているうちに、パキッと澄んだ音がした。

現れたのは、ハート型の白い断面。

「カッコいい!」スタジオにいた女子全員が、思わず叫んだ。

そうなのだ。木村拓哉という人は、仕事の現場ではいつも必ず、期待以上のことをしてくれる。

そこにいる人たちの思いを受け止め、ちゃんとキラキラとした魅力を輝かせる。正真正銘のスターだな、と思う。

木村さんがViViに登場するのは、なんと約20年ぶり。20年前にはもう、押しも押されぬスーパースターだった。それから20年経った今も、ずっとトップランナーであり続けている。芸能界広しといえども、そんな人まず見当たらない。

新人スターが現れるとよく"○年に一人の逸材"なんて言われたりするけれど、木村さんのように、"50年に一人の逸材"であることを、自らの行動をもって示した人はいない。

10代でも20代でも30代でも40代でも、ちゃんと歳相応のカッコ良さを提示してくれる"表現者"の成長と成熟を目撃できることは、木村拓哉というスターのいる時代に生まれた幸福といえるのかもしれない。

だってもし"世界から木村拓哉が消えたなら"と考えると、日本のエンタメ界は、とてもつまらなくなってしまうと思うから。


「20歳前後の読者に、"これ、今のうちにやっておくとイイよ"ってアドバイスするとしたら?」と質問した時、木村さんは、「野郎なら、無責任なことも言えるけど、女の子だからなぁ……」とちょっと考えて、「思いっきり笑って、思いっきり泣いて、思いっきり歯を食いしばって踏ん張っておくことかな」と答えた。

「脅かすつもりはないけど、今ぐらいパワーがあるときに、ちょっとした冒険とか、試練とか、葛藤とか、いろいろキツいことやしんどいことを経験しておくといいと思う(笑)。若いうちは、無理してでも背伸びしてでも、周りから"生意気だ"って言われようと(苦笑)、心と身体を存分に動かしておくべきだよね。最初は筋肉痛でガチガチになっても、あとで絶対力になる。それをやっておかないと、もっと面倒くさいことが出てきた時、乗り越えることが大変になってくるから」

かくいう木村さんも17歳の時、初めての舞台で、蜷川幸雄さんに徹底的にしごかれた。言われたことができなくて、稽古場のトイレの個室にこもっては泣き、その苦悩のあまり生えてくる髪がごっそり白髪になった箇所があったほどだ。

大人になった今でも、壁にぶち当たったときに、「あれを乗り越えられたんだから、大丈夫。こんなの大したことねぇ」と思い出すことがあるという。

映画『無限の住人』のキャッチコピーは、「不死身って、面倒くせぇ」。

永遠の輝きを放つ木村さんが、映画の中で永遠の肉体を操るからこそ、"万次"という存在が説得力を持つとはいえ、やっぱり、役への向き合い方は尋常じゃない。

撮影時期は真冬なのに、衣装は裸足に雪駄、ボロボロの木綿の着物姿。

「でも、その過酷な自然環境に身を置くことが、自分の中にある野性のようなものを、研ぎ澄ましてくれた気がする」と木村さんは話す。

映画前半の見せ場である100人斬りのシーンでは、朝食もとらずに、撮影現場に出かけた。その理由は、「お腹がいっぱいになっちゃうと、殺陣に集中できない気がした」。

たしかに、映画の中の木村さんは、どこか飢えたオオカミのような目をしていて、とても野性的だ。

監督の三池崇史さんからは、「初めて会ったときも思ったけど、趣味、威嚇だよね」と言われたことがあるというし、その目ヂカラは、まさに国宝級。

オーディションで自分をアピールするなら? 言葉で何か言うんじゃなく、相手の目ん玉、睨みつけるかな(笑)

〝今もしオーディションを受けるとしたら、自分の武器を何てアピールしますか?〞と訊いた時も、「わかんない。言葉で何か言うんじゃなく、オーディションをしてくれてる人たちの目ん玉、睨みつけること」と答えたりして、いくつになっても〝攻め感〞がハンパない。

確固たるスターの座を手に入れたあとも、〝木村拓哉という不死身の獣〞であり続けているのだ。

テレビ番組の企画でアメリカ・インディアンの住む場所に足を運んだのも、20代前半の頃だった。最初は、部族の儀式を取りまとめるインディアンの長に「男になるために何をしてきた?」と訊かれ、何も答えられなかった。

極寒の山岳地で危険を冒して薬草を採りにいった彼は、精霊から〝リトル・マン〞と名付けられた。今はまだ小さな男だけれど、いつかきっと大きな男になる、という意味を込めて。

「いい歳の取り方ができるように」「強い心を持てるように」「いい人生を、そして強い身体を」。

保留地を発つ前日の儀式で、そう祈りを捧げられた思い出――。今も、普段からインディアンジュエリーを身に着けているのは、そのときの体験といつも繋がっていたいという思いからだ。

人間関係で迷ったり、悩んだりしたときは、都会の喧噪から抜け出して、自然の中に身を置いたり。いつも自分の原点に返れる場所が、彼にはある。

20年前の木村さんは、愛についてこんなふうに語っていた。

「愛とは、相手に幸せになってほしいと思うこと」。

その答えを踏まえた上で、今の木村さんにとっての愛を定義してもらうと、「相手を思うこと、じゃない?」とぽつり。だとすれば、今の木村さんは、あらゆる愛に満ちている。スタッフを思い、共演者を思い、役を思い、仲間を思い、ファンを思い、自然を思う。

たくさんのものに愛を手渡せるからこそ、彼は圧倒的なスターなのだ。

男になるために、何をしてきた?

もし今、インディアンの長が彼に会ったとして、もうそんな質問をすることはないだろう。

この20年、彼は誰よりも周りのものすべてを愛し、目の前にある一瞬一瞬に全力を尽くした。

〝リトル・マン〞から、大きな男になるために。
PROFILE■
木村拓哉。1972年11月13日生まれ。東京出身O型。
Photos:Kazuhiro FujiTa(blanc) Styling:Ayano Kurosawa(rises,) Hair&Make-up:Junko Kaneda(June) Text:Yoko Kikuchi Design:attik

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