【第2話】ダサい彼に…キュンとしました『うみんちゅとデコネイル』

2020.08.04

『恋する❤︎週末ホームステイ』の番組終了後も、男子参加メンバー・レンのこと忘れられずにいたナツキ。外見が壊滅的にダサいレンだったが、実はそんな彼に惹かれていたナツキは……。『うみんちゅとデコネイル』マイクロコンテンツ第2話をお届けします
※「AbemaTV『恋する❤︎週末ホームステイ』 短編ノベル・イラストコンテスト」受賞作品です。

レンの最初のイメージは「ダサくて暗い」だった。
そしてそのイメージは最後まで覆る事はなかった。

身長は高いはずなんだろうけど、大きな背中を猫背気味に丸めていて、ぼそぼそと喋るのがまずイケない。
身なりに気にしないのか、表情が分からないくらいぼさぼさで長い前髪、分厚いぐるぐる眼鏡。

テレビに出るからってスタイリストさんがコンタクトを必死に進めてたけど「合わないから」の一言だけでかたくなに拒否をしてたっけ。

撮影時期的にロケは雪山がメイン。
スキーや雪で遊ぶシチュが多かったんだけど、沖縄生まれで沖縄育ちのレンには寒かったみたいで、着ぶくれしてて、ずんぐりって印象だった。

口数が少なくて不愛想で、何を考えてるか分からない男の子。
なのになんで恋ステに応募してきたんだろう?
それがレンへの第一印象だった。

まあ意外にも運動神経は良いみたいで、初めてのスキーに悪戦苦闘することなく、難なく滑ってみせた。
でも、撮れ高っていうの?
それがほとんどゼロ。

他のメンバーが悪戦苦闘してたり、下手なメンバーと一緒に滑ったり。
そんな映像の方が番組的に面白いみたいで、レンのシーンはほとんどカットされていたんだよね。

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カメラが回っていてもいなくても、静かにぼーっとメンバーの片隅にいるレン。
ひとりが好きなのか、それとも私たちが嫌いなのか。
協調性が無いだけなのか……。

始めは私たちもスタッフさんも彼の扱いに困ってしまった。
私さ、こう見えても結構そういうの気にする方なんだよね。
恋ステってまずはメンバーが仲良くなるために、知る事から始まるじゃん?

……今考えると彼氏作りにきたのに何してるんだって我ながら思うけどさ。
でも、なんとなく気になっちゃったんだよね。

レンももしかしたら、人と距離を取るのに悩んで、あまり話せないのかなって思ったんだ。
というか、人と話すことに慣れてない感じ?

そんなレンと話すチャンスが突然降ってわいて。
私にレンを見直すきっかけを与えてくれた。

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それは最初の週末。
みんなで冬の海を見ながらBBQをするとか言って、漁港に行った時。
私とレンは買い出し係で魚市場を回る事になった。
たくさんの魚に圧倒されている私に、丁寧に説明してくれたのはレンだった。

「この魚ってなんていうんだろ?」
「…それはノドクロ」
「ノドクロ?」
「…ああ、脂が良く乗ってうま味があって…刺身にするとうまい」
「レンって魚に詳しいの?」
「…それほどでもないと自分では思うけど…確かに内地の人よりは詳しいかも」

ちょっと意外だった。
そっか。こうやってレンは自分の好きな話題だと会話のキャッチボールをしてくれるんだ。
私はここぞとばかりに頭をフル回転させ、レンのプロフィールを思い出して問いかけた。

「そういえば、レンって石垣島に住んでるんだよね。海にも詳しそう」
「詳しいというか……実家はダイビングショップだから」
「えっ! レンも出来るの、ダイビング」
「もちろん」
レンと海……陰キャと海……うーん、想像がつかない。

「…俺は、将来ダイビングのインストラクターになりたいからな」
突然のレンの将来の夢の告白に私は驚いた。
「レンが? インストラクター?」
「似合わないっていうのも、合わないっていうのも分かってる。…だから、この番組に出たようなモンだけど」
レン曰く、ダイビングインストラクターは接客業。
人とコミュニケーションが取れないのは致命的だから、いっそ同年代の子たちと旅をする番組に出るのはどう? と家の人に勧められて応募したんだって。

なるほど、恋をしたいから応募したわけじゃないのね。
というか、恋ステ出演に親が薦めるのか。
沖縄の人っておおらかって言うけど……おおらか過ぎね?

「…ともかく、人と接することに慣れるには良い機会だと思った。番組の主旨とは違うだろうけどな。…これ、他のメンバーや番組の人には言うなよ」
と、しっかり口止めも忘れないレン。

でも一応、恋ステって密着ロケ型バラエティなんで、この部分、どっかでこっちを見てるカメラに撮られてますけど。
というか、番組に主旨にそぐわないって自覚はあるのね。
そして口数は少なくても、しっかり自分の考えは話すんだ……って意外な面にちょっと驚いて。
なんだ結構面白い奴じゃん、と思った矢先にレンが言った言葉。

「…あのさ。初めて会った時から思ってたんだけど…おまえのその爪、すごいな」

またこの言葉。
たちまち、私の体は凍り付いた。

▶︎【第3話】は8月5日13:00更新!

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作者:イトウアユム