【第4話】ああ、私やっぱり彼に恋してたんだ『うみんちゅとデコネイル』

2020.08.06

『恋する❤︎週末ホームステイ』男子参加メンバー・レンにデコネイルのことについて触れられ、“否定される”と思っていたナツキだったが、「おまえが好きなら良いじゃないか。それに……俺も好きだ。ネイルとかよくわからないが、おまえらしい爪だなって、思う」と言われ、不覚にもトキめいてしまい……。『うみんちゅとデコネイル』マイクロコンテンツ第4話をお届けします
※「AbemaTV『恋する❤︎週末ホームステイ』 短編ノベル・イラストコンテスト」受賞作品です。

もっともっと、レンのこと知りたいなって思って迎えた、2週間目。

この週は雪山のペンションに泊まって、翌日はスキー。
可愛らしい北欧風のペンションアンド修学旅行の夜みたいな雰囲気でメンバーはテンションが上がりっぱなしで。
夕食の後はメンバー全員でテレビゲームで盛り上がり……のはずだったんだけど。

レンはそれを眺めながら、リビングの片隅でスマホをいじりながらコーヒーを飲んでいた。
なので私もスマホをいじりたいフリをして、さりげなくレンの隣をゲット。

横に座った私にレンは特に気にするまでもなく、スマホをいじりつづけ……

「おまえは赤ミーバイだな」
唐突にレンが言ったんだ。

「赤ミーバイ?」
「ああ、こっちではなんていうんだ?えっと、魚で……」
「ああ、沖縄の魚だよね。真っ赤なやつ。前に沖縄に行った時にみたことある」
数年前、家族旅行で沖縄に行った時に市場で一度だけ見かけたことがある。
赤いうろこが綺麗な、ちょっと大きな魚。

「知ってるのか? ああ、赤ミーバイは……」
「あれってさ、真っ赤で綺麗だけど、食べるのはちょっと勇気いるよね~あんなに派手な魚を食べるのは私はちょっとカンベンって感じ」
市場のオジサンに美味しいよ、って散々勧められたっけ。
でも、あんなに赤い魚を食べるのは……ちょっと抵抗があるよね。

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「……そう、なのか?」
驚いた様に目を見開くレン。
「俺は……美味しいと思うけど、赤ミーバイ」
「そんなに美味しいの? だったら今度、沖縄に行く機会があったら食べてみようかな~」
そっか、海が好きなレンがこんなに落ち込むとは……そんなに美味しいのね、赤ミーバイ。

明らかに声のトーンがダダ下がったレンに私は申し訳ない気持ちになった。
そうだよね、自分が肯定するものを否定されるのは気分がさがるよね。
馬鹿ナツキめ。自分だって散々ネイルの事で嫌な思いしてきたのに。
ああ、反省。

レンに気を取り直しもらおうと、私はとっさに会話を続けようとした。
「っていうかさ、レンも赤ミーバイみたいになれば?」
「俺が? 赤ミーバイ?」
「そうそう、もう少し外見に気を付かえば? そんなにダサいと女の子にモテないよ」

私以外にね……って付け加えたかったけどさすがに恥ずかしくてやめた。
恋愛は駆け引きが大切って、お姉ちゃんが言ってたからね。
ここは少し、含みを持たせてレンの出方をみないと。

「カッコいいレンとか全然想像がつかないけどさぁ」
ま、別に私はレンがダサくてももさくても、良いんだけどね。
人間、外見だって言っても、やっぱり中身も重要だもん。
そりゃ良いにこしたことはないけどさ、高望みはするもんじゃないって。

付き合う人は私と感性があって、思いやりがあって、どきどきさせてくれる人が良い。
――そう、レンみたいな。

と、言いたいことは山ほどあったけど、すべて飲み込んだんだ。
恋の駆け引きのために。
今はそれを言うタイミングじゃないって。

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……でも私はこのことを、のちに死ぬほど後悔する。
私どこか残念そうなまなざしで私をみて、そしてそのまま押し黙るレン。
その後もレンは沈黙したまま。
そして。
結局、レンとは翌週から会うことがなかった。

そう、レンのチケットは2週間で終わったのだった。
そしてレンがいなくなって思ったんだ。

……ああ、私、やっぱりレンに恋してたんだなって。

▶︎【第5話】は8月7日13:00更新!

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作者:イトウアユム