【第5話】新しい“バイトくん”の正体は…『うみんちゅとデコネイル』

2020.08.07

『恋する❤︎週末ホームステイ』の男子参加メンバー・レンのことが気になるナツキ。お姉ちゃんに教わった“恋の駆け引き”を参考に、レンとの会話であえて自分の気持ちを伝えず、少しそっけない話し方をしてしまった。しかしそのせいか、レンはどこか残念そうなまなざしでナツキをみて押し黙り、翌週には『恋ステ』からいなくなってしまう。レンがいなくなって、はじめてレンのことが好きだったんだと自覚したナツキは……。『うみんちゅとデコネイル』マイクロコンテンツ第4話をお届けします♡
※「AbemaTV『恋する❤︎週末ホームステイ』 短編ノベル・イラストコンテスト」受賞作品です。

「赤ミーバイって表現。それって結構脈アリな表現だったんだと思うよ~」

客足が途切れた昼下がり。
それまでキッチンに缶詰めだったオーナーがやってきて、バーカウンターに腰を下ろした。

この人はこうやって時々、恋ステの話を蒸し返して、私の反応を見て楽しむところがある。
まあ、時給が良い、環境が良い、SNSに映えると好条件ぞろいで倍率が高かったこのバイト。
雇ってもらった理由に「若い子にわりと知名度がある恋ステに出たことがあるから」ってのがあるから、邪険には出来ないけどさ。
どーも、面白がってるフシがあるんだよね。

……そして、その手にはちゃっかりと缶ビールがあるんだけど。
あのね、オーナー、まだ営業中だよ?
「よいしょっと。これは一休みだからノーカン」
私のジト目に気付いたのか、言い訳するオーナー。
それを冷ややかにスルーして、私はグラスを磨く。

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「これから新しいバイトの人が来るのに大丈夫ですか?」
そう、明日からもう一人このお店にバイトが増える。
私と同じく、夏休みの週末限定の勤務の高校生だっけ。
その高校生とこれから軽いミーティングをするんだって、オーナーが言ってたけど……しょっぱなから酒臭いとか大丈夫なの?
「大丈夫だよ。新しいバイトって言っても俺の甥っ子だからね。……でさ、アカジンミーバイって言って沖縄の高級魚の筆頭の魚なんだよ」

いきなり何言うんだろう、このオヤジは。
「味も価格も最高級な魚を例えに言うなんて、それってめちゃくちゃ褒めてるんだと思うんだ。そういうところがうみんちゅらしいんだよね」
「うみんちゅ?」
「そ、海の人って書いてうみんちゅ。漁師とか海を生業にして生活してる人。レンはさ。根っからのうみんちゅなんだよね」
「……オーナー。なんでレンがうみんちゅだなんて知ってるんですか?」

ダイバー云々の話は丸々カットされたから、誰も知らないはず。
そもそもレンの場面はほとんど放映されてない。
なぜなら、別のメンバーの三角四角関係がめちゃくちゃ盛り上がって、放映されたのはそちらの方のシーンが多かったからだ。

私は「デコネイルが大好き」って部分でフォーカスされることが多かったけど、レンは一番最初に帰っちゃったし。
まあ、私はチケットを10枚持ってたので、最後の週までいましたけどね。

「だって、レンは俺の甥っ子だからさ」

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はあ~~?
そんなの初耳なんですけど?

ん? 甥っ子?
「ちょ、ちょっと待ってください」
私は思わずオーナーに詰め寄る。

「さっき、新しいアルバイトは甥っ子って言ってましたよね? そしてレンが甥っ子だって……それって……もしかして……」
「うん。実はさ、新しいバイトっていうのも、実はレンなんだよね~」
なんだこの満面の笑みはっ!
いたずらに成功した小学生かよっ!
このたぬきオヤジ! 時給倍にしろっ!
「あ、きたきた~」

えっ?
オーナーがひらひらと手を振る、その先のオープンテラスのほうにワタシはゆっくりと、恐る恐る目を向けた。
そこにいた人影。

開口一番、私の口から出た言葉は
久しぶり、とか
元気にしてた? とか
会いたかった! とかじゃなく……
「だれ?」
だった。

▶︎【第6話】は8月8日13:00更新!

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作者:イトウアユム